フットケアについて、3回に分けてわかりやすく解説したいと思います。
フットケアとは
フットケアとは、「足を守るために足病変を予防し総合的にケア、治療すること」です。
足病変として身近にある病気は、たこ、うおのめ、巻き爪、陥入爪、足爪白癬、外反母趾、靴ずれなどが挙げられます。また、糖尿病による足潰瘍、壊疽(えそ)という病気があります。高血糖状態が長く続くと体の抵抗力が低下するため感染を起こしやすくなり、巻き爪などのささいな傷から潰瘍や壊疽を起こして足を切断しないといけなくなることがあるため、足病変の予防が大切となります。
海外では足病変を専門とする「足病医」が存在しますが、日本では外科(形成外科、整形外科、血管外科)、内科(循環器内科、内分泌代謝内科)、皮膚科、リハビリテーション科など様々な診療科が各科の専門分野の範囲内で診療を行っています。地域の病院には専門の医師が少ないこともあり、足病変を早めに見つけて予防することが重要だと考えています。
フットケアの目的
- 足の健康維持:足裏や爪のケアを行い、トラブルを未然に防ぎます。
- 足病変の予防と治療:巻き爪・陥入爪や足裏の角質肥厚(タコ・ウオノメ)、足白癬(みずむし)などの予防と治療を行います。
- 歩行改善:足のトラブルを解消することで、歩行障害を改善します。
- QOL向上:足が痛くない、快適な日常生活をサポートします。
主なフットケアの内容
1. 爪のケア
- 正しい爪切り:巻き爪や陥入爪を防ぐため、爪の先端を直線的にカットします。
- ネイルケア:爪周囲の汚れ、皮脂などを除去し、清潔に保ちます。
- 巻き爪矯正:専用器具を使って爪の弯曲を矯正します。
2. 皮膚のケア
- 角質除去:固くなったかかとやタコを削り、痛みが出ないようにします。
- 保湿ケア:乾燥を防ぎ、ひび割れを防止します。
- 足浴:足の血行を促進し、リラックス効果も期待できます。
3. トラブル予防ケア
- フットマッサージ:血流を良くし、筋肉をほぐします。
- 靴選び、靴の履き方:足に合った靴を正しく履くことでトラブルを防ぎます。
- 靴の中敷き(インソール)調整:アーチサポートや衝撃吸収を助けます。
フットケアの重要性
足は「第二の心臓」と呼ばれるほど、健康に深く関わる部分です。
特に高齢者や糖尿病患者は、足の傷が感染症や壊疽に発展するリスクがあるため、定期的なケアが欠かせません。
普段から自分の足に関心を持ちセルフチェックをする習慣をつけましょう。何か異変を感じたら早めに医療機関を受診することが大切です。
まとめ
フットケアは、健康な足を保ち、快適な生活を支える大切なケアです。日常生活の中で自分の足のことを少し意識するだけで、足のトラブルを予防できます。
当院ではフットケアの取り組みを開始しました。足の爪切りができない方、巻き爪や肥厚爪で悩んでいる方のお役に立てればと考えていますので、気軽にご相談ください。取り組み内容につきましてはインスタグラムでも紹介していこうと思います。